今回はJALの上級会員制度およびJGCと呼ばれる会員組織に違いについて書いていきます。
どこの国のレガシーキャリア(フルサービス航空会社とも言う)もマイレージ制度を整備しており、一定の条件を満たした利用頻度の多い乗客に対して、ステータスを付与しています。
日本のエアラインだとJALやANAのマイレージバンクがこれに該当しますね。
内容は予約~搭乗すべてのフェーズにおいて一般客にとは差別化されたよりよいサービスを提供してくれるものです。
それではまず、JGCは置いといてJMB(JAL MILAGE BANK)の上級会員制度の説明です。
JALマイレージバンクにおいては一定の基準を満たした場合、上からダイヤモンド会員、サファイアサファイア会員、クリスタル会員といったステータスが与えられます。
各ステータスの到達基準は以下の通り。
各ステータスごとに該当するoneworldのステータスが付随しており、oneworldに所属するJAL便以外のエアラインを利用する際も上級会員としての扱いを受けることができます。また逆に、oneworldのステータスを持っている人は同等のJMBステータス会員とほぼ同じのサービスを受けることができます。
それぞれのステータスのサービスについては別ページにて。
ステータスを付与されるには次の方法があります。
1.1年間(1月~12月)にFOP(FLY ON POINT)を貯める方法
2.1年間(1月~12月)に搭乗回数を積み重ねる方法
搭乗回数の方は大丈夫だと思うんですが、FOPに関してはこれだけでいまいちピンときませんよね。
FOPとはマイルとは別にもらえる、搭乗した区間の①運賃種別・②距離・③エリアによる倍数によって計算され付与されるポイントのことです。
①運賃種別
運賃種別と客席のグレードにより算出されるパーセンテージ
また、国際線・国内線でそれぞれ運賃種別によっては400FOP追加でもらうことができます。
②距離
搭乗した便の飛行マイル数
③エリアによる倍数
日本国内線:2倍、日本発のアジア・オセアニア線:1.5倍、その他:1倍
参考までに羽田から那覇の普通席に搭乗した場合、運賃種別によって1,476FOP~2,368FOPになります。最大のFOP数を出すためには、運賃がかなり高い普通運賃や国際線区間の一部として搭乗する必要があります。普通運賃は1FOPあたりの単価が20円をオーバーしますが、国際線に乗り継ぐ場合、FOP単価を一桁に抑えることができます。一般的にFOP単価の安い・高いの分水嶺は10円と言われています。
話を戻します。一番安い先得運賃で羽田・那覇を飛んだ場合、もらえるのは1,476FOPなので、後述するJGCの入会条件であるサファイア会員に到達するためには、
50,000FOP÷1,476FOP≒33.87回
つまり34回の搭乗(=17往復)という途方もない回数をこなさなければなりません。
また、カード決済等で貯めることができるマイルと異なり、FOPは飛行機に乗ることでしか貯まらないポイントなので、自然にここまでたどり着くのは出張族やリッチな旅行家ぐらいですね。
しかしJGCに加入した場合、制度が変わらない限り上級会員としてのステータスが一生維持できるため、用も無いのに飛行機に乗りまくる人達(通称:修行僧)が後を絶ちません。
私も元修行僧だったりします。
搭乗してそれぞれのステータスの基準達成後、JALよりステータスカードが送られてきて、そのメリットを享受できるようになります。(一部はカード到着前から使用できる)
JMBのステータスは取得した翌々年の3月末まで有効なものであり、期限までにそのステータス維持に必要なFOPを貯めることができなかった場合、下のランクに落ちたり、ステータスを持たない一般会員に戻ってしまいます。
続きましてJGCについてです。
JGCとは、JMBのサファイアステータス以上の会員が加入できる上級会員組織のことを指します。
加入の条件は
①JMBステータスのサファイアステータス以上であること
②所定のクレジットカード(JAL CLUB-Aカード以上)を保有していること
の2点です。なお、クレジットカードの年会費を払い続けている間はずっとJGC会員でいられます。
JGCにもJMBと同様、FOPもしくは搭乗回数に応じたステータスがあり、JGCに入会後は以下のステータスが適用されます。
ダイヤモンド、サファイア、クリスタルに関してはJMBと同じ条件です。
ここでは『ステータスなし』と『JGCプレミア』の項目について説明していきます。
ステータスなし
ステータスなしとは、JGCに加入はしているものの、JMBのステータスは一般会員という状態です。
JMBサファイアに到達後、JGCに加入した時点ではJGCサファイアのステータスですが、翌々年までFOPが貯まらなかった場合、JMBのステータスはなくなってしまいます。そこで送られてくるステータスカードがこちら。
JMBのステータスがある場合、DIAMOND、JGC PREMIER、SAPPIRE、CRYSTALの文字の下にJGCのロゴが入ったステータスカードが送付されるんですが、こちらはJGCのロゴのみ印字されています。
しかしよく見ると右下にoneworldサファイアのロゴが印刷されているではありませんか!
年会費を払い続けている間はJMBステータスがなくてもoneworldサファイアを維持できてしまうのです。
oneworldサファイアステータスを持つ人がJAL便を使用する際はJMBサファイア会員とほぼ同等のサービスを受けることができます。ページの最初の方にあるJMBのステータスの表のとおりですね。
oneworldサファイアサファイア会員へのサービスとしては、専用チェックインカウンターの利用、預け荷物の重量制限緩和、サクララウンジ入場、優先キャンセル待ち、優先搭乗、預け荷物の優先返却等があります。
また、年会費が本会員と同額という欠点はありますが(一部カードを除く)クレジットカードの家族会員もJGCメンバーとなり、本会員とほぼ同じサービスを受けることができます。
嫁の家族カードを発行した時、嫁名義で先ほどのJGCステータスカードが届いています。もちろん嫁はJMBのステータスなんぞ持っていません。
JGCプレミア
このJGCプレミアというステータスは少々特殊で、JGCメンバーのためだけに用意されたステータスです。
仮に、JMBの会員が80,000FOP貯めた(or80回搭乗した)としても、JGCに加入していなければステータスはサファイアのまま。
ちなみにこちらがステータスカード
oneworldステータスは最高位のエメラルドになっています。
エメラルドステータスはoneworldの中でファーストクラスの乗客に相当する扱いを受けることができます。
乗る便がエコノミークラスだったとしても、ファーストクラス用のチェックインカウンターでチェックイン、ファーストクラスラウンジで優雅に食事なできるなんてとてもステキですね。ちなみに一部を除いてJMBダイヤモンドと同じ待遇です。
しかし、こちらはJMBのステータスと同じく、維持するためには飛行機に乗ってFOPを稼がなくてはなりません。
JGC修行ではどうせ最低でも50,000FOP稼がなくてはいけませんし、時間と資金に余裕があれば勢いでJGCプレミアまで目指してみるのもアリかしれませんね。
達成後の空の旅は最高の時間になること間違いナシです。
今回はJMBとJGCの違いについて紹介しました。
今回のポイントはJMBサファイアに到達後、JGCに加入すればoneworldサファイアがずっと維持できるという点ですね。
ちなみに世界的に見ても、クレジットカードを持っていればエアラインのステータスが維持されるというのはJALとANAぐらいのようです。
心底日本に住んでてよかったと思える瞬間ですね。
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